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上記の特徴的な構造と前回の『大型トラックの3軸と4軸のメリット・デメリット』を参考にお読みください。
まずは、こちらの写真をご覧ください。
(*過去の弊社所有車両の横からの写真がなく、ネット上より無料の素材を載せました。)
以前のブログでご紹介した『4代目レンジャー(クルージング・ライジング・スペース)』が登場するまでは、超々ロング対応のフレームシャーシはラインナップされておらず、おばけ4トンを製作するには、フレームシャーシ延長改造が必要でした。
おばけ4トンは大型トラックと同じ長さです。つまり当時は中型車を無理矢理大型車の長さに引き伸ばしたと思ってください。改造によるにフレーム延長は、既存のシャーシ後方にフレームを継ぎ足すため、ホイールベースに比べ後方の荷台が異常に長くなる形状となりました。
これにより、内輪差は小さいが後輪の後ろにはみ出した部分が長く
が起きやすい形状でした。
ホイールベースが短いため、車体のわりに小回りは利きましたが、それ以上に交差点や狭い道ではオーバーハング事故に気を付けなくてはならず、非常に運転が難し車両であったことは間違いありません。
上記で記述した通り、かつてのおばけ4トンは中型車を無理矢理大型車の長さにまで引き伸ばしたことにより、車体の長さは大型車と一緒だがホイールベースは中型車(4t車ベース)という非常にアンバランスな車両になりました。もちろんタイヤは4t車と同じです。
これにより、縦揺れにも横揺れにも非常に弱い車両でした。単純に土台が狭ければ上方部は安定しないのは当然ですよね。
さらに『異常に長いオーバーハング』と相まって、急な上り坂で車体後部が突っかかり…いわゆる『尻もちをつく』状態になり…現場の坂道を登れずエンコしてしまう事例が度々あったようです。時には、無理矢理突破しようとして、延長したフレームが曲がった事もあったとか。(無理矢理ってところが時代を感じます。)
これまで述べてきたように、当時のおばけ4トンは非常にバランスの悪い車両でした。
更にその不安定差に拍車をかけていたのが、荷台の殆どが『幌車』だった点です。
現在ではほとんどの車両がバン車になり、幌車の目にする機会は減りました。しかし当時の支流は幌車全盛期で、弊社所有の車両もすべて幌車でした。理由としては安価で、修理が容易く、現代の様な軽くて丈夫なバンボディーがなかった為と推測されます。
では、なぜ幌車がバランスの悪さに拍車をかけたのか。それは『幌』の特性にありました。皆さん、ヨットのマストを想像してみてください。ヨットはマストに風を受けて推進力を得ますよね。マストは布状の素材でできており、それに風を受ける仕組みです。あれ、マストの素材ってなにかと似ていませんか?そうです『幌』です。つまり、『マスト』=『幌』なのです。幌車は荷台上部を『幌』で覆っているため、横風をまともに受けることになりなります。台風の時などは、車体を左右に揺さぶられながら運行したこともありました。
ここからは、現在のおばけ4トンについてお話します。はっきり申しまして、過去の車両とは比べ物にならないくらい、バランスのいい車両に仕上がっています。まずは、こちらの写真をご覧ください。
まず一目でわかるのが、ホイールベースがかなり長くなりバランスが良くなっています。
さらに、幌車ではなくバン車になっています。この変更がどの様な利点をもたらしたか説明します。
写真で見ていただけた様にホイールベースがかなり長くなっています。過去の車両に比べタイヤ一個分から一個半分後方に配置されています。これにより、車両のバランスがかなり良くなりました。特に横揺れに加え、降雪・凍結時の横滑りにも強くなり良い効果を生じています。同時に、オーバーハングが短くなり『ケツ振り』による事故リスクも改善されています。また、余程の急こう配でない限り、車両後部をする『尻もち事故』なくなりました。現在、国産メーカーでは日野自動車のみがこのベースをラインナップしています。改造しなくてもこのベースで注文できるようになったのも利点と言えます。
次にボディーをアルミ製のバン車に変えたことによる利点をお話しします。
これは一言で言って以前より横風に強くなった点が挙げられます。『幌車特有の横風の弱さ』でもお話しした通り、おばけ4トンは非常に横風に弱い車両でした。しかし、アルミバンに変更し、マストの様に風を受けていた幌を廃止したことにより、幌車より、かなり横風に強くなりました。もちろん4トン車の中でも非常に車高の高い車両を利用しているため、強風の脅威は変わりませんが、荷主のご理解のもと台風時は運行を見合わせる等の対応を取らせてもらうことにより、横風による事故は起こしておりません。また、幌車とバン車ではさほど荷台の重量に変化がなかったことも導入のきっかけになました。
最後にその他の改善点についてお話します。これは弊社に限ったことではありませんが、トラックメーカーによるハード面の進歩です。ご存じの通り、運転サポートシステムの発展はめざましく、一部環境下では自動運転なども現実化しております。その波はトラック業界にも及んでおり、車両の積極的な入れ替えにより運転サポートシステムの恩恵を受けています。また、マニュアルシフトからセミオートマシフトに変更したことにより、ドライバーの運転時負担軽減なども積極的に進めいます。
後外せないのが、メーカーといそのボディーさんの弊社の車両の欠点を少しでも改善しようとしてくれた働きも忘れてはいけませんね。
この様に、『おばけ4トンは大型車より運転が難しい…』というのは過去イメージです、現在では、非常にバランスのいい車両に仕上がっており、現在でも日々改善点を模索しています。今では『運転しやすいおばけ4トン』と胸を張って言えるほどです。
是非とも『おばけ4トンは大型車より運転が難しい…』とおっしゃる方が居ましたら、現在は『おばけ4トンは運転しやすい車両』だとお伝えください。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。